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東京地方裁判所 昭和49年(特わ)654号 判決

主文

1. 被告人株式会社坂入産業を罰金一、一五〇万円に、被告人坂入正昭を懲役八月にそれぞれ処する。

2. 被告人坂入正昭に対し本裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社坂入産業(昭和四六年八月一日以前の商号は技友ビル株式会社坂入観光会館、以下被告会社という)は東京都荒川区東日暮里六丁目二八番五号に本店を置き不動産の売買および賃貸借等を営業目的とする資本金二、〇〇〇万円(ただし昭和四七年六月二二日以前は一、〇〇〇万円)の株式会社であり、被告人坂入正昭(以下被告人坂入という)は被告会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人坂入は被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、売上を除外して簿外預金を蓄積するなどの方法により被告会社の所得の秘匿工作をなしたうえ、

第一、昭和四五年四月一日から昭和四六年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が別紙第一記載のとおり三、九四一万四、九〇八円あつたのにかかわらず、昭和四六年五月三一日東京都荒川区西日暮里六丁目七番二号所在の所轄荒川税務署において、同税務署長に対し、所得金額は〇円(欠損金額四〇万七、〇六六円)であり、納付すべき法人税額はない旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により被告会社の右事業年度の正規の法人税一、四一五万〇、七〇〇円を免れ、

第二、昭和四六年四月一日から昭和四七年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が別紙第二記載のとおり七、九六〇万六、〇一四円あつたのにかかわらず、昭和四七年五月三一日前記所轄荒川税務署において同税務署長に対し、所得金額が一三九万三、一五五円であり、これに対する法人税額は三九万円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により被告会社の右事業年度の正規の法人税額二、八九九万二、七〇〇円と右申告税額との差額二、八六〇万二、七〇〇円を免れたもの(税額の算定は別紙第三記載のとおり)である。

(証拠の標目)

一、被告人坂入の当公判廷における供述

一、被告人坂入の検察官に対する供述調書

一、被告人坂入に対する大蔵事務官の質問てん末書六通

一、押収してある法人税確定申告書一綴(昭和四九年押第九四四号の二二)

一、広瀬幸一、渡辺昇吉、溝口千秋の検察官に対する各供述調書

一、石川文治、斉藤晃、金井貞、岡野勝一 岡田秀夫、谷貝守一、関実、坂入忠、野口宗市、溝口千秋、馬場芳男、小林秀雄、石井巌、中村照夫、坂入満利子に対する大蔵事務官の各質問てん末書

一、被告人坂入(一〇通)、亀山喜久子、大森のぶえ、永岡真、山田勝也、知久信也、坂入喜四郎、福士健吉作成の各上申書

一、坂井建二作成の回答書

一、大蔵事務官作成の調査書一一通

一、押収してある次の各証拠物(前同押号、かつこ内はその符号)

取引成立台帳二綴(1)、領収証控一一冊(2)、土地建物価格明細書処理済二綴(3)、土地価格明細書控二綴(4)、土地建物契約書一綴(5)、土地契約書一綴(6)、土地価格明細書一綴(7)、土地及建物完了価格明細綴一綴(8)、土地販売契約書一綴(9)、総勘定元帳一綴(10)、土地購入契約書一綴(11)、坂入正昭用領収証綴一綴(12)、領収証綴三袋(13)、サカリ団地買収物件契約書一綴(14)、住宅開発念書等一綴(15)、工事契約処理済一綴(16)、業務日誌一冊(17)、歩合台帳二冊(18)、総勘定元帳二綴(19、20)、裏契約依頼文書一袋(21)

(法令の適用)

一、該当罰条 被告会社につき法人税法一五九条、一六四条一項

被告人坂入につき同法一五九条(懲役刑選択)

一、併合加重 被告会社につき刑法四五条前段、四八条二項

被告人坂入につき同法四五条前段、四七条本文、一〇条(重い判示第二の罪の刑に法定の加重)

一、執行猶予 被告人坂入につき刑法二五条一項

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 池田真一)

別紙第一

修正損益計算書

株式会社坂入産業

自 昭和45年4月1日

至 昭和46年3月31日

<省略>

別紙第二

修正損益計算書

株式会社坂入産業

自 昭和46年4月1日

至 昭和47年3月31日

<省略>

別紙第三

法人税額計算書

株式会社坂入産業

<省略>

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